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小坪トンネル

大学入学間もない頃、やはり私のこの力は話題でした。
やはり、“見える人”が一緒にいると、心霊スポットに行っても面白い…という事で、色々連れて行かれました。
今考えたら、かなり罰当たりな話です…。


神奈川県逗子市。
ここには、もう“お約束”といっていい位有名なスポット【小坪トンネル】があります。
様々な噂話があります。
トンネルの中に停車して、3回クラクションを鳴らすと窓に手形が付く
だとか、
女が追いかけてくる
だとか…。


その時は小さな車に5人の乗車。
窮屈さに耐えながら夜中に向かっていきました。


トンネルの近くまで来て、邪魔にならない場所に車を停め、後は歩く事になりました。
二又に分かれた道…。

どっちがいる??

と聞かれた私は、

ん…こっちかな…。

と、右側を指差しました。
強い瘴気は明らかに右側から流れ込んで来ていたのです…。


そっと、右側の道路に向けて足を踏み出す私達。
入り口近くには、40代位と思われる女性の霊が立っていました。
どうやら、この女性がここの“ボス格”らしく、かなり強い瘴気を撒き散らしていました。
なるべく彼女の気に触れないように、ゆっくりとトンネル内に入っていきます…。


トンネルの中は…
まるで沢山の首吊り死体がぶら下がっているように見えました。
そこには…天井すれすれの所に、たくさんの人が直立状態で浮かんでいたのです。

…これは、何なんだ??

異常な胸騒ぎをガマンして、どうにかトンネルの出口まで出て行きました。
そこには…
真新しい花束が、道路脇に供えられていたのです。
どうやら、気は、その花束の丁度真向かい、壁の凹みの暗い部分から発されているようでした。
おそらく…ここで何者かに魅入られた方が亡くなってしまったのでしょう。
私的には、一緒に供えられていた“白いギター”が一番気になったんですがね。
ってか、 何故今時白いギターなんだか。


恐れていた出来事は …帰りに起こりました。
帰りの車の中、私は後部座席に座っていたのですが…
突如、物凄い寒気を感じ、ふと後ろを振り向くと…





付いて来てる…!!!






さっき、トンネルの入り口で見かけた女性の霊が、バックウィンドウにべったりと張り付いていたのです。
それはもう凄い形相で…ウチらをじっと見据えています。


気持ちは焦ります。
しかし、焦って第二の“人災”を起こしてしまう危険性もある為、私はまず気持ちを落ち着けてから、運転手であった先輩に指示を出しました。


小坪から離れ、彼女の力が弱くなった所でコンビニで塩を1袋買う事。
この際食塩でも何でも構わない。
そして、迷惑にならない所に車を停めて、車と、乗車していた全員に振り掛ける事。



その甲斐あってか、暫くしたら彼女はいなくなりました。

しかし…未だに“ぞくっ”とするのは…
私、湘南地区ドライブがかなり大好きなんですけど、たまにルート変更で小坪トンネルを通る時…
彼女は、まだ入り口に立っているのです。
それはまるで、次の獲物を待ち構えるように… 。

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