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幽体離脱

人が寝ている間に、魂だけが散歩に行ってしまう事…
それが、いわゆる【幽体離脱】と言われているものです。
この状態が長く続くと、そのまま戻れなくなる…なんて話はよく聞きますね。


高校生の頃の事でした。
前触れも無く、異常な眠気に襲われた為に

やべ…今日は寝るか…。後は明日やろう…。

と、布団に潜った私。
途端に、強烈な金縛りに襲われました。


私が金縛りに遭っている時の現象で、未だに不可解な点が1つあります。
一生懸命寝返りを打とうとして、どうにか身体を動かして寝返りを打つ。
布団の擦れる感触や、腕がシーツに当たる感触まで鮮明なのです。
しかし、金縛りが解けた瞬間…
私の身体は元、寝てた体勢のままなのです。
寝返りを打った痕跡も全くありません。


以前に遭った金縛りの時には、一生懸命電気を点けようと枕元のスタンドスイッチに手を伸ばしました。
指先にボタンスイッチの感触。
しかし、何度ボタンを押してもスタンドの電気は点かない…。

何で??!!

とパニックになっている間に、不意に金縛りが解けました。
その時も例に漏れず、身体は元通り布団の中にすっぽり潜っていて、腕を動かした形跡も全くありませんでした…。
もしかしたら、この時既に魂だけが動いていたのかも知れませんね…。


話を本題に戻しましょう。
金縛りに遭ってしまった私は、いつものようにもがきます。
いつものように、寝返りを打った感触。その瞬間…






自分が、浮いていたのです。








私の部屋のベッドは窓際にあるのですが、丁度その対角線上の天井に、自分が下を向いた状態で浮いていたのでした。
それこそ、背中が天井に貼り付いてしまったような…そんな感じでした。


暫く、それが当たり前であるかの如く…私は呆然とその場に浮いていました。
ふと我に返り、

…これってマズイんじゃないの??!!

と、一生懸命天井、天井に吸い付いてしまった自分の身体を、腕力で滑らせて…どうにか自分の身体に辿り着きました。
辿り着いた瞬間に、意識がふわりと布団の中に戻っていった感覚は忘れられません。


しかし、まだ相変わらず身体は動かせない状態です。
個人差はあると思いますが…私の場合、金縛りの時は目すら動かす事が出来なくなるのです。


部屋のドアが音を立てず、すぅ〜…っと開いたのが分かりました。
目は瞑っていたけれど、その“ドアの外”がどんな様子かまではっきりと見えました。
いや…“見えた”と言うより、“ヴィジョンが直接脳内に飛び込んできた”、そんな感じでしょうか…。


自然にドアの外には誰もいなかったけど、夜明けのような中途半端な薄暗さ。
今の季節で言うと、丁度AM5:30位の明るさです。

あれ…??もう夜が明けたの??

と不思議に思った瞬間、金縛りが解けました。


金縛り。
異常に体力を使うものである為に、その消耗も恐ろしいものがあります。
暫く身体の緊張をほぐす事を心がけ、落ち着いてきた所で

そーいや、もう朝だったよな…。

と思い、ふと枕元の目覚し時計を見て…呆然としました。
私がベッドに潜ってから、まだ10分も経っていなかったのです…。

嘘??!目覚まし壊れてる?!!

と思って、他の時計も見てみたのですが…。
他の時計も全部、同じ時刻を指しています。
確認の為に点けたTVでは【ニュース23】をやっていました。
雨戸を開けてみたら、そこはまだ漆黒の闇。
夜明けは程遠い時間でした。


私は、あれがほんの10分の間に起きた出来事とは、今になっても思えません。
外は現に“明るかった”し…。


天井を這った時の掌の感触まで、今でもはっきりと思い出せます。
夢と思うには、感触が余りにもリアル過ぎた事件でした。

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