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窓を叩く者

やはり、大学時代のお話です。
私が親友・S嬢と共に、夜中にふと

ご飯でも食べに行かない??

という話になり、S嬢の家へと車で迎えに行った時の出来事です。


我が親友・S嬢。
彼女の家から1qも離れていない場所に、【灯明堂】という、日本で最初の灯台が設置された場所があります。
ここは、その昔“首切り場”としても使われていました。
知る人ぞ知る、心霊スポットです。


S嬢は暫し支度に時間が掛かる…との事。
私は、時間が余る事を見越して、ゲームボーイを持っていました。
1 人で【桃太郎電鉄】を99年セットして、延々と遊ぶ…という、冷静に考えたら非常に寂しい事をやっておりました。


車の中で1人、桃鉄の画面をピコピコと動かして遊んでいたら…
車の後部からいきなり



ダンダンダンッッ!!!



という、凄い音が聞こえてきました。
え??S嬢出てきたの??それにしては殺気立ってるような…と、訝しげにリヤウィンドウへと目を遣る私。
そこに見えた者…



鬼の様な必死の形相で、車のリヤウィンドウを必死で叩いている男がいたのです。
勿論、気配が人間のそれではありませんでした。


普通の人なら急いで逃げたでしょう。
でも、そこが私。


…丁度その時、ゲームの中では私が【ぶっとびカード】を使ったので、
これから私は何処に飛ばされてしまうのだろう…。
それが、その時点での私の最重要問題だったのです。


あ〜〜〜もぉ、忙しいからあっち行ってて!!!!

言っちゃいました。えぇ、言っちゃいましたとも。
追い討ちをかける様に、手で“しっ!しっ!!”とも…
やっちゃいました。えぇ、やっちゃいましたとも。

その瞬間の私の脳内思考。↓
霊現象<桃鉄。


物分りの良い人(?)でした。
…余程私が驚かなかったのが面白くなかったのか、ちょっと離れた後ろの方にある電柱から、暫くの間つまらなさそうにこっちを“じぃぃぃ〜〜〜…”と見てたのですが、大して気にも留めず。
そのまま下りてきたS嬢をサルベージし、2人で笑いながら深夜のファミレスへと向かいましたとさ。


相手が悪かったな。けっ。

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