実はそんな事、全くありません。
確かに夜の方が周囲の明かりが無い分見易かったり、夜の方がパワーが増幅されている場合も多いですけれど…それだけとは限りません。
今回は、白昼堂々出現した霊のお話です。
前の話でちょこっと書いた、【灯明堂】での出来事です。
以前にも書いたように、ここは昔、“首切り場”でした。
彷徨える人達の中にも、いるんです。やっぱり。
“首が無い”人達が…。
見てて余りイイモンではないですね。未だに。
時は夏。太陽がギンギンに照り付ける午後でした。
私は親友・S嬢の家に遊びに行き…そして何と言う訳でもなく、彼女の家の近くを散歩する事になりました。
昼間だという事で、警戒を怠っていたのかも知れません。
坂道をゆっくりゆっくりと歩いて行くと、突き当たりは自衛隊の施設。
その坂を上った、丁度真ん中辺りでした。
ガクンっ!!
急に、足が重くなったのです…。
最初こそ、歩き過ぎて足が疲れたのか??とも思ったけど、どうも違う。
足が地面に吸い付く。
鉛の塊が括りつけられている。
そして…“何か”が私の足を引っ張っている。
足元に目を遣ると…
やっぱり、いたのです。
首の無い人間が。
輪郭だけしか分からなかったけど、はっきり“首が無い”事だけは理解出来ました。
そいつが私の足にしがみついてきてます。
半分諦観の気持ちで足元を見つめ、ソイツの“気”を確かめてみる。
そんなに強くはなさそうである事。
私程度でも祓えそうな程度の事が分かりました。
ちょっと気合入れて祓ったら、あっさり身を引いていきました。
でも…冷静に考えるとかなり怖い。
もしヤツが強いヤツだったら??
もし私が祓えなかったら…??
邪気の強いヤツは本当に強いです。
私でも逃げた事ありますし。
次のお話は、そんな強い邪気に引き込まれた、哀れな人のお話です…。