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階段

これは、私の友人のお話です。
私、元々こういう体質だから…ってのは関係あるのか無いのか分からないけど、霊感を持ち合わせた友人が非常に多いのです。
私も、正直ぞっとしたお話です。
教訓のようなものもありますので、どうぞ最後まで読んで下さい。


私の地元の友人であり、霊感を持ち合わせた男性、(仮に“O”としておきます。)はアウトドアが好きで、しょっちゅういろいろな所でキャンプをしたり、山中で自給自足生活をしたり…と、精力的に活動しておりました。


その時も、彼は10何人かの大所帯で、とある近所の岬でキャンプを楽しんでいたそうです。
この場所は…我が地元なのですが、日本で初めての洋式灯台が建った場所。
そして…地元民の間では、“出る”と評判でした。
(今思えば、霊感のある筈のOが何でそんな所でキャンプを…って思うんですがね…。)


アウトドアに付き物のバーベキュー、そして冷えたビール。
夜も更けて、ほろほろと酒も回り、お約束の様に

近く散策してみっかぁ〜??

という話になったそうです。
みんなでワイワイと近辺探検。それはとても楽しいものでした。


暫く歩いていくと、道の脇に下に下りていく階段があったそうです。

あれ??来た時こんなんあったっけか…??

訝しげに皆で顔を見合わせ、何となく“降りてみるか??”という空気になりました…。
しかし、そこから立ち上る瘴気に真っ先に気付いたOは、

この階段は下りちゃダメだ!!

と主張しました。
彼の特殊能力を知っている他の人は、“これはマズイな…”と思って行かなかったそうなんですが…


ただ1人だけ、酒の勢いも手伝って

大丈夫だよ〜こんなん。すぐ戻るからさぁ。

と、皆が止めるのも聞かず降りていってしまったそうです。
残された人達は仕方なく、その場で待つ事にしました。




それから、10分経ちました。




20分経ちました。




1時間経ちました。






いつまで待っても、降りていった彼は戻ってこなかったのです。


流石 に皆、酔いもすっかり覚め、焦り出しました。
しかし、探すにしても真夜中で、しかも街灯すらないような漆黒の闇。
聞こえるのは、岸壁に打ち付ける波の音だけ…。


今探しに行ったら、他の人まで無事では帰れなくなる…という事で、夜の内に探し出す事は諦めました。


次の日の朝になっても、彼はキャンプ場に戻りませんでした。
警察も呼んで大規模な捜索が執り行われました。
しかし、彼の姿は見つからない…。


それどころか、彼が降りていった階段すら見つからなかったのです。
階段があるべき所はちょっとした草むらになっていて、その下はすぐ海だった事に気付いたのは、他の友人と一緒に近隣を捜索していたO本人でした。


あれから10年位経つと思いますが、未だに彼は見つからないそうです。
彼は何処に行った、いや、何に連れ去られたのでしょうか…。



興味本位だけで心霊スポットに行くのは、はっきり言って危険です。
行くにしても、お守りなり塩なり、身を守る為の装備はして行かないと…。
そして、場を穢す事は絶対にしてはなりません。
それでないと、魅入られてしまいます。
彼のように…。

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