しかし、さすがに怖いとは言え、このままでは本当に泣くに泣けない状況になってしまいます。 それだけはどうにかして避けたい。
反 撃 開 始 で す 。
相手が武器を持っている事も考えて、正攻法で行ったらまず勝てないという事を察知したワタクシ・山猫。
そりゃ、相手は男だし、ワタクシ一応女だし。
正攻法が駄目なら… これしかないでしょう。
【ゲリラ戦術】
ゲリラ 1 [guerrilla]〔スペイン語で、小戦争の意〕
敵の後方や敵中を奇襲して混乱させる小部隊。遊撃隊。 「―戦術」
相手の一瞬の隙を見逃さずにトドメを刺さなくてはなりません。
しかし、事が終わってから隙を見抜いても意味が無い。
即ち、出来るだけ早い段階で相手に隙を作らせなければいけないのです。
ここで生きた私の学生生活。
ワタクシ、中学高校と演劇部に所属しておりまして…。
お芝居をずっとやってた訳ですよ。
こ こ で 使 わ ん で い つ 使 う 。
目に涙を溜めながら目をぎゅっと閉じ、悔しそうな表情を作って身体の力を抜く。
即ち、降参モードですよ。
もう負けました状態ですよ。
悔しいけどもう抵抗出来ません状態ですよ。
もう好きにして状態ですよ。<何か違う
…さほど時間は掛かりませんでした。
不意に、相手の緊縛力が一瞬緩みました。
姐さんこの瞬間を待ってた!!!
男の急所は股間です。
世界の掟です。
テストに出ます。
満身の力を込めて、急所にニードロップ炸裂。
うぐうっ!!
…という、何かアマゾンの奥地のサルの交尾のような声を上げて悶絶する藤井隆もどき。
その隙に落ちたカバンを拾い、サンダルをつっかけて逃走。
タッタッタッタッタッ…。 <私の足音
パタパタパタパタパタ…。 <ヤツの足音
追っかけてきた。