何故か、“霊の集まる場所”に程近い所に住んでいる方が多かった…そんな気がします。
“私が惹き付けてる”とは絶対に思いたくないのですが…。
今回のお話の舞台は藤沢です。
【鎧】、【十二単】の彼とはまた別の人なのですが…当時付き合ってた人の家のすぐ傍です。
広がる団地地帯。その中の一角に、彼の家はありました。
そこから歩いて10分と掛からない場所には、巨大霊園。
そして、その脇は自殺の多い高層マンション…。
この霊園は…整備もきちんとされていて、供養もしっかり出来ている。
なので、凄く清浄な場所だと思っていました。
昼間は“その”気配に全く気付かなかった位ですから。
その霊園内の敷地、広い駐車場があるのですが…平日の夕暮れ時で、殆ど車が停まっていませんでした。
その広い敷地内で、私は彼に“原チャリの乗り方”を教わっていました。
彼の原チャリを借りて…。
そして、日没。
そろそろお開き〜。ご飯食べに行く??
という話になりました。
当時乗り回していた、父ヒロシの車はその霊園の脇の路地に路駐させていました。
彼は、一旦原チャリを自宅に置いてから、徒歩で私の待つ場所まで来る事に…。
車に乗り込むと、その霊園内の景観が一望出来ます。
何…あれ…。
周囲は既に、漆黒の闇。
頼りになるのは、霊園内のライトのみです。
ライトが照らし出している、霊園内の幾つもの【飾り石】 。
その上に1つずつ、“何かが蠢く気配”を感じたのです。
無数にある【飾り石】。
それら1つ1つに満遍なく、人影が腰掛けていたのでした。
景色に気を取られ、私はエンジンを掛けるのも忘れて、呆然としていました…。
暫くそうやって見ている間に、彼が私の車の所に到着。
それと同時に…不意にその中の1人がこっちを振り向いたのです。
…気付かれた!!!
慌ててエンジンを掛け、逃げ帰る車。
その時…何か持ち帰ってきてしまったようでした。
ずっと車の中に気配を感じます。
気配は、私が地元に帰り着くまで続きました。
バックミラーを見ると何かとんでもないものが映っていそうな予感がして…後ろは振り向く事が出来ないまま…。
日中は感じなかった気配。
夜になると、気配が濃厚に押し寄せてくる、そんな場所でした。
もしあのまま捕まってたら…私は、一体どうなっていたのでしょう…。